カフカ的日本映画2本
今回は日本映画2本の感想、
いずれもまるでカフカ的な感じのする映画でした。
まずは現在公開中の
「それでもボクはやってない」
周防正行(ちなみに「すおう」ではなく「すお」だそうだ)
11年ぶりの新作、テーマは痴漢冤罪
痴漢に間違えられ捕まった主人公が無罪を訴え
裁判で争う様を劇的要素をほとんど廃して淡々と描いた作品、
淡々としすぎていて観ている途中、免許センターで見せられるビデオ
のような感じもうけるのだが、捕まったことも(スピード違反ではあるが、)
拘留されたことも、ましてや裁判を受けた事もない人にとっては、
初めて目にする細部まで描写されていて関心しっぱなしで、ダレる事なく
最後まで目が離せない、
しかし、リサーチを重ね、この冤罪事件のモデルもいるという元で
作られたこの作品を観るにつけ、まるでカフカのようである、
主人公は分かっているシンプルな出来事だが周りがけむに巻くように
焦点がぼやけ、まるで霧の中ので迷ってしまうそんな印象、
現実、今の日本の裁判がこの様な物であるという事は
男性にとってはそこらへんのホラーより遥かに恐い映画でした。
続いてもうじき公開の
「となり町戦争」
原作は未読、
ある地方のゆったりした町の旅行代理店につとめる主人公が
ある日爪を切っていると足の下に敷いた広報誌の片隅に
「隣町と戦争を始めました」という一文が、、
たしかに隣町と交戦状態には入っているようだが、生活は以前と変わらず、
町にもそのような気配さえ無い、
ただ、新聞の片隅に載る戦死者の数が増えてゆくだけ、
そんな中役場より呼び出され、偵察要員に任命され
隣町で役所の女性と奇妙な同棲生活を送る話
途中の戦争状態といいながら以前となんら変わらない日々を
送っているオフビートで不条理な感じの中盤までは
大変興味深く観る事が出来、
このへんはイラク戦争等、日本も戦闘を見ないだけで
戦線の遥か後方である現実の皮肉にも見える。
(映画パトレイバー2を観ておくともう少し面白いかも)
しかし!ラスト20分になると、どうしたものか、まるでこうしてはいけない
脚本の書き方の見本のようにお約束の連続で、がっかり
最後まで戦争の存在が曖昧な方が面白いと思うんだけど、
でも原田知世好きは必見
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